ファン有志で推しの誕生日・周年企画を進める段取り|役割分担・日程・決まりの確かめ方
推しの誕生日や周年に、ファン有志で何かしたい。そう思っても、何から決めるのか、何週間前から動くのか、事務所の決まりはどこで確かめるのか、お金はどう扱うのか、と迷う人は多いです。この記事は、初めてまとめ役になる人に向けて、段取りの考え方と、決まりを確かめる場所を順に説明します。特定の事務所の判断や、法律の判断をするものではありません。
公開 ・ 文責 ぬぬはら(推しログの運営者)
企画の種類と、手間の目安
最初に決めるのは「何を集めるか」です。次の表は、参加者が数十人の企画を想定した、手間の大まかな比較です(筆者の目安です)。
| 企画 | 集めるもの | 手間 | 先に確かめること |
|---|---|---|---|
| 寄せ書き(ウェブのボード・フォーム) | 短いメッセージ・手書き・画像 | 小〜中。集める期間は 1〜2 週間ほど | 荒らし対策、個人情報、見せ方(配信で読むか、本人に渡すだけか) |
| ハッシュタグ企画(ファンアート・メッセージ) | 参加者が自分の SNS に投稿する作品や言葉 | 小。告知と、あとからのまとめが中心 | 二次創作ガイドライン、タグが他の話題とぶつからないか(先に検索する) |
| メッセージ動画・イラスト集 | 参加者の素材を 1 本の動画や 1 冊にまとめる | 大。編集担当が要る | 素材の権利(音楽・画像)、顔や声を出す人の同意、冊子を事務所へ送れるか |
| 実物の色紙・手紙 | 紙に書いた寄せ書き、手紙 | 中。郵送と取りまとめ | 事務所の受付の決まり(送れる物・枚数・事前の問い合わせ)。届く日は指定できないことがある |
| 応援広告(街頭・駅・ビジョンなど) | 広告の絵柄と掲示の費用 | 大。お金と申込の手続き | 事務所の応援広告の決まり、掲示先のルール |
| 配信・上映会・オフ会 | 人が集まる場 | 大 | 会場の決まり、未成年の参加、ファン主催イベントの決まり |
手間が大きい企画ほど、まとめ役が動けなくなったときに止まります。初めての年は、寄せ書きやハッシュタグ企画のように、参加者の負担が少なく直しやすい企画を 1 つに絞るのがおすすめです。実物を送る企画は、そもそも送れるかどうかから確かめます(後ろの「事務所や本人のガイドラインを探して守る」の表に例があります)。
日程の逆算と、役割分担
日程は、公開する日(当日)から逆算します。誕生日や周年の日付は、公式の発表で確かめます。次の表は筆者がすすめる目安で、事務所などの決まりではありません。動画や広告の企画は、素材や申込の締切を表よりさらに早めます。
| いつ | やること |
|---|---|
| 8〜6 週間前 | まとめ役を決める。企画の種類を 1 つ決める。事務所や本人のガイドラインを読む。広告・会場・郵送の企画は、申込の窓口と締切を確かめる |
| 5 週間前 | 役割を分ける。参加のしかた(ログインの要否・書く内容・名前の扱い)と「書かないこと」を決める |
| 4 週間前 | 告知文・画像・ハッシュタグを用意する。集める場所を作り、仲間内で試しに投稿してみる |
| 3 週間前 | 募集を始める。告知には、ファン有志の企画であること、締切、書かないことを入れる |
| 2 週間前 | 途中の告知を出す。集まり具合を見て、まだの人に声をかける |
| 10〜7 日前 | 受付を締め切る。動画や冊子にまとめる企画は、素材の締切をここよりさらに 1〜2 週間前に置く |
| 7〜2 日前 | 集まった物を確認する。個人情報、不適切な内容、権利の問題を 2 人で見る。整える・編集する |
| 前日 | 公開の時刻・担当・場所を最終確認する。予備の担当を決める |
| 当日 | 公開して見届ける。反応を急かさない |
| 翌日〜1 週間後 | お礼を出す。振り返りをする。集めたデータを片づける |
受付の締切と公開の日のあいだに、確認の日を必ず置きます。最後まで受け付けて当日にそのまま流すと、確認する時間がなくなり、不適切な投稿が全員に見える形で出てしまいます。
役割は 4 つに分ける
| 役 | 仕事 | ひとこと |
|---|---|---|
| まとめ役 | 全体の進行、最終判断、ガイドラインの確認、窓口への連絡 | 倒れたときの代理を決めておく |
| 告知担当 | 告知文、画像、投稿の時刻、途中の再告知 | 文面はまとめ役が目を通す |
| 集計・制作担当 | 集まった物の整理、編集、冊子や動画に仕上げる | 動画や冊子では、いちばん忙しくなる役 |
| 確認担当 | 個人情報、不適切な内容、権利の問題を見る | 集める役とは別の人にする。2 人いると安心 |
- 少人数なら兼ねてかまいません。ただし確認は、できれば集計した本人とは別の目で見ます。
- 連絡の場所を 1 つにし、決めたことはそこに文章で残します。
- 参加者の連絡先や個人情報を見る人は、まとめ役と確認担当だけにします。
- 仕事ごとに、担当の名前と期限を書きます。担当が決まっていない仕事は、誰もやりません。
事務所や本人のガイドラインを探して守る
ファンが企画するときの決まりは、3 つの所にあります。事務所(会社)のガイドライン、本人の意向、場所(掲示先・会場・使うサービス)のルールです。まず、事務所の公式サイトから探します。
- 事務所の公式サイトでガイドラインを探すサイトの下のほうの、規約・ガイドライン・よくある質問のページを見ます。「二次創作」「ファンイベント」「応援広告」「ファンレター」といった見出しが目印です。
- 個人の配信者は、プロフィールと概要欄を読むチャンネルの概要、固定した投稿、公式サイトの質問ページに、ファンへのお願いが書かれていることがあります。
- 企画に当てはまる項目を読む二次創作の全般、ファン主催のイベント、応援広告、手紙やプレゼント、未成年へのお願い。企画の種類ごとに、読む項目が違います。
- 本人の意向を見る本人がファンの企画やプレゼントについて話していないかを見ます。にじさんじの二次創作ガイドラインも、ライバーが個別の意向を示している場合があるので、そちらも参照してほしいと書いています。卒業や活動休止の前後は、とくに本人の気持ちを優先します。
- 「事前に連絡」と書かれた所だけ、窓口に連絡するどちらの事務所のガイドラインも、内容の解釈や判断の基準を個別に問い合わせても答えない(にじさんじは原則として)と書いています。連絡が求められているのは、応援広告の登録や、ホロライブで寄せ書きや 10 枚以上の色紙を送るときなど、決まりに書かれた場面です。迷う所は、書かれている範囲で確実に守れる形に企画を変えます。
例として、2 つの事務所の公式ページを 2026 年 10 月に読み、企画に関わる所を表にしました。事務所を比べるためではなく、「ガイドラインにはこういう項目がある」という見本です。
| 項目 | ホロライブプロダクション | にじさんじ(ANYCOLOR) |
|---|---|---|
| ファン主催のイベント | 原則、非営利の個人・サークルが主催する。会場費などの経費を補う程度の入場料や頒布は認めるが、営利を伴うと判断した場合は、収支の開示やイベントの中止を求めることがある。公式・公認と誤解される表現をせず、ファンイベントだと明記する。未成年の参加が見込まれるときは、参加条件や年齢確認などの対策を主催者が講じる | 二次創作ガイドラインに、ファン主催イベントの項目は無かった。販売や収益化の条(第 7 条など)を読む |
| 応援広告 | ガイドラインを守れば、個別の問い合わせなしで掲示できる。掲示にあたっては登録フォームから連絡する。応援広告だと明記し、公式・公認の広告と誤解される表現は避ける。公式の素材をそのまま使うだけの広告は不可。第三者が作った素材は、その人の許可を取る | 専用の申込窓口から申し込み、内容の確認後に担当者から連絡が来る。18 歳未満は出稿できない。公式の素材は事務局から届くものを使い、宣材イラストは加工できない。第三者が作った二次創作は使えない。ガイドラインを守っていても、許諾されないことがある。広告の著作権は ANYCOLOR に移る |
| お金・販売 | 二次創作は同人活動や趣味の範囲で。営利目的とみなす法人による利用は原則お断り | 趣味の範囲の同人誌やグッズの販売はできるが、ファン活動を超えた事業活動としての販売はできない。その範囲を超える収益化を目的とした利用は、事前の承認なしに行わない |
| 実物の手紙・プレゼント | 物品のプレゼントは一部を除き受け付けていない。寄せ書き・アルバム・同人誌などは問い合わせたうえでのみ。10 枚以上の色紙も事前に問い合わせる。写真は送れず、住所や電話番号などの個人情報が入った手紙は渡されない。受け渡しの日は指定できない | 指定の用紙(便箋・ポストカード・写真用紙・色紙)のみ。色紙は寄せ書きか本人のイラストに限り 3 枚まで。アルバムや冊子は渡されない。名前はハンドルネームのみで、本名や SNS の ID は書けない。受け渡しの日は、本人が主催する一部の企画を除き指定できない |
出どころは、ホロライブプロダクションの二次創作ガイドライン・よくある質問、ANYCOLOR の二次創作ガイドライン・応援広告規程・ファンレター送付規程です。どちらの事務所も、手紙の受け渡しの日は指定できないと案内しているので、誕生日の当日に届けたい企画には、実物の郵送は向きません。
ガイドラインは予告なく変わることがあります。上の表は 2026 年 10 月の内容です。企画を始める日と公開する日の両方で、公式のページを読み直してください。
どの事務所でも守りたいこと
- 公式の企画と誤解されないようにする。企画の名前や告知に、ファン有志の企画だと書きます。
- 本人や事務所のイメージを損なう表現を入れない。宗教的・政治的な内容も、どちらのガイドラインも控えるよう求めています。
- 他の権利者の決まりにも従う。にじさんじのガイドラインは、事務所以外の権利者が二次創作の指針を示している場合はそれに従うよう求めています。企画で使う曲やゲームの映像は、その権利者の決まりも読みます。
- メンバー限定の動画などを素材にしない。にじさんじのガイドラインは、メンバー限定動画や事務所が企画したライブの映像はガイドラインの対象外で、無断転載には法的措置を含めて対応すると書いています。
- 違反に見える行為を見つけても、攻撃や晒しをしない。ホロライブのガイドラインは、通報機能や問い合わせ窓口に相談するよう求めています。
個人情報と荒らしに備える
集める情報は最小にする
- 名前は、ハンドルネームか、書かなくてもよい形にします。本名・住所・電話番号は聞きません。
- 郵送や景品の企画でないなら、メールアドレスや SNS の ID も集めません。必要なときは、使い道と消す時期を先に書きます。
- 事務所へ送る物には、本名や SNS の ID を書けない決まりもあります(上の表の手紙の欄)。参加者への案内に、その決まりを書いておきます。
- 未成年の参加者がいる前提で作ります。連絡先を聞かない作りが、いちばん安全です。
- 推し本人の個人情報(本名、住所、家族、過去の活動名など)は、聞き出さず、推測も書かせません。
- 参加者の顔写真や声を使う企画は、使う範囲(動画に出す・公開する・消す時期)を伝えて、同意を取ります。
荒らし・誹謗中傷に備える
誰でも書き込める企画では、悪口、他のファンや他の配信者への攻撃、身元につながる書き込み、ネタバレ、宣伝が混ざることがあります。備えは次の 3 つです。
- 募集に「書かないこと」を載せる。悪口、他のファンへの攻撃、本人の個人情報の推測、宣伝、他の企画のネタバレなどです。
- 公開する前に、確認担当が全部読む。集まったその場で公開される形は避けます。
- 見つけたときの動きを決めておく。外す、投稿した人に連絡する、必要なら窓口へ知らせる。誰が決めるかも先に決めます。
具体的な手順は、記念配信でファンのメッセージを集めるときの荒らし・誹謗中傷対策に、道具を問わない形でまとめています。
同じ日に、他のファンが別の企画を進めていることがあります。告知の前に、ハッシュタグや推しの名前を検索して確かめます。重なるときは連絡を取り、競い合う形にしないようにします。
お金が関わるときの考え方
結論から言うと、お金を集めない形にできるなら、そうするのがいちばん安全です。お金を預かると、「何に使ったのか」と疑われる余地ができ、まとめ役の負担も大きく増えます。
| 形 | 向いている企画 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 集めない(各自の負担、または主催者の自己負担) | 寄せ書き、ハッシュタグ企画、動画 | 無料で参加できると書く。主催者が出す額には、先に上限を決める |
| 参加費を取る | 会場を使うイベント、印刷する冊子 | 会場費や印刷費などの実費に収め、内訳を示す。ホロライブのガイドラインは、経費を補う程度の入場料を認める一方、営利を伴うと判断すると収支の開示を求めることがあると書いている |
| カンパ・クラウドファンディング | 応援広告、大がかりな企画 | 下の「集めるなら透明にする」を守る。使うサービスの規約を読む |
集めるなら透明にする
- 先に書く。使い道、目標額、締切。集まらなかったときと、余ったときの扱い(返金か、先に決めた別の使い道)も書きます。
- 窓口を 1 つにする。誰が預かるのかを告知に書き、複数人が出入りを見られる形にします。
- 終わったら報告する。見積と、実際にかかった費用を、参加者に見せます。
- 未成年からは、保護者の同意なしに集めない。募集の文にも、そう書いておきます。
- ほかの窓口から送金を頼まないと書く。主催者を名乗る偽の連絡に、参加者が巻き込まれないようにするためです。
寄付・募金の扱いは、確かめた両方のガイドラインには書かれていませんでした。推しの名前で募金を集めると、本人や事務所の意向に合わないことがあります。集めたお金の税金や法律上の扱いは、この記事では判断しません。金額が大きいときや、繰り返し集めるときは、専門家に確かめてください。
YouTube 上でお金を使った応援の仕組みの違いは、YouTube のファンの応援の違いの記事で整理しています。
当日と、終わったあと
当日
- 公開の時刻、投稿する人、場所、予備の人を前日までに決めます。
- 推しの配信や発表とぶつけません。推しの予定が変わったら、公開を動かします。
- 本人に読んでもらうことを前提にしません。受け取ってもらえたかどうかは、分からないことが多いです。反応をねだる書き込みや、メンションの連発はしません。
- 配信で紹介するかどうかは、本人と運営が決めます。当日、配信のコメント欄へ企画の告知を何度も送ることはしません。
終わったあと
- 参加者にお礼を伝える告知を出した場所に、参加人数や集まった数と、お礼を書きます。個々の投稿を取り上げるときは、投稿した人が許した範囲にとどめます。
- お金を扱ったなら、収支を報告する集めた額、使った額、余りの扱いを、参加者に見える形で出します。
- 振り返りを残すうまくいった所と、直したい所を書きます。日程表、使った素材、ガイドラインを確認した日をまとめた引き継ぎメモがあると、来年の誕生日や周年に使い回せます。
- 集めたデータを片づけるメッセージ、連絡先、素材の元ファイル、共有フォルダの権限を見直します。参加者に伝えた範囲だけを残し、期限を決めて消します。ガイドラインを確認した記録と、収支の記録は残します。
推しの誕生日や周年の日付を見落とさないための記録は、推しの誕生日・デビュー日を忘れないための記録と通知にまとめています。
推しログでは
推しログのデジタル寄せ書きは、作る画面のテンプレートで「推しに贈る」と「誕生日」「周年」などを選ぶと、推しに贈る形の文と見た目から始められます。作るには Google でのログインが要り、参加者はログインなしでも書けるようにできます(文字・画像・GIF・手書き)。公開のしかたは「今すぐ公開」「先に集めて、あとで公開」「日時で開封(タイムカプセル)」「みんなでたたいて開封(くす玉)」から選べます。荒らし対策には、承認制、NG ワード、本名など出したくない言葉、画像・GIF の自動チェックがあります。
推しには寄せ書きページの URL を渡し、終わったら「画像で保存」や「メッセージを書き出す」で残せます。1 人で贈るなら、手書きのメッセージに声も添えて URL で渡せるサインカードもあります。どの道具を使っても、事務所や本人のガイドラインを守る必要は同じです。
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